月別アーカイブ: 2007年2月

仕事の合間に先生の日

いつもは武術の合間にデザインの仕事などしておりましたが
どうしたことでしょう、今月に入りましてweb製作依頼が3件
ほぼ同時にやってきました、にわかにデザイン事務所NyyGも
大わらわでございます、自分の武術の練習は全く出来ずマウスの
使い過ぎで右の肩が針で刺されたような痛みをともないながら
仕事をしております。

さて、金曜の先生の日です、前夜に鷹爪拳の依頼を受けてましたので
肩周りの筋肉を念入りにストレッチしてスタジオに向かいます。

基本練習で寒い冬はスタンス系の練習を軸にします、今日は加世田君も
来ておりましたな。新しいスウィープ系の技を模範しておきます。
最初ですのでなかなか難しいでしょうか、一回見せておけばそのうち
出来るようになるでしょう、飛び技も軽くこなして個人練習に移ります。

鷹爪拳、当然全部は教えられないので、基本動作とオープニングを
教えます、なかなか最初の飛び立つ動きができませんな、まあいきなりは
無理ですけど、来週の舞台までにそれなりに仕上げてほしいものです。
あとロータスキックが完璧にできないと難しい型です。

青龍刀、第二セクションの通しです、このパートはそれほど難しく
ないでしょうか、動きもよろしいです、あとフラワーだけ気をつけたら
良いでしょうか、来週は第三セクションです。

白猿拳、通します、スタミナはついてきましたけど、まだ荒いかな。
きっちりディテールをこなさないといけませんよ、先週直したところが
直っていましたので、それの点は評価出来るのではないでしょうか。

形意拳、ほぼ最後の箇所ですが、まだ形意拳の立ち方がしっくりこない
ですな、上体が長拳になって背筋が伸びてしまいますね。形意拳の
時は形意拳の身体にならないといけないのです、型によって瞬時に
身体の姿勢を変える練習も教えないといけませんね。

忘れ形見の鷹爪拳

木曜の夜に武術生徒から電話がかかってきました。

生徒「タカシさん、明日のクラスで鷹爪拳教えてください」
タカシ「ええけど、また急にどないしたんやあ〜」
生徒「来週の舞台で使おうと思ってまして」
タカシ「来週かいなあ、間に合うかあ〜、まあやってみようかあ」

鷹爪拳
動物の型であります。現代武術の上級長拳の延長上に
位置すると思われ、飛び技重視でロータスキックが必ず入る型であります
特に肩の使いと目線それから右の脚力がものを云う型ですね。

さてさて、この鷹爪拳ですが、最近日本に帰った生徒に教える予定の
拳でありました、昨年の年末から教える準備をしないといけないと思い
夜寝る前にストレッチの前に片足スクワットを行なっていたのでしたが
生徒が日本に帰国してしまいましたので、すっかり軽いストレッチだけ
になっておりましたです。その生徒が日本で武術クラスを受けたと連絡が
あり頑張っていると聞き嬉しい限りでございます、いきなり地方の
武術クラスにてツイスト、トルネード720度など連発して武術クラスで
波風をたてているのでしょうねえ、笑

武術クラスにて自分は基本的に何でも教えます、君はまだ早いと云って
たしなめたりケチンボを云ったりは基本的にしません、まずやらしてみて
無理やと理解させる方がすんなりいくからですが、それにダンスの子らは
舞台で動物の型を使うなどの理由があったりしますし。

特徴的な動きを4つ5つ教えます、最初のオープニングが難しいけど
これが上手くいかんと「ハト」に見られるからきっちり練習するように
っとまあこの子は本番に強いタイプですので、練習でボンヤリしてても
本番で化けますから、まあ大丈夫でしょうか。しかし舞台でバレーダンスの
鳥と武術の鳥(鷹)を競演させるって云ってたけど、またどんな舞台に
仕上がるんやろうかねえ。

久しぶりに鷹爪拳で動いてみて、日本に帰った生徒に長拳やなしに
鷹爪拳を先に教えてあげてたらよかったかなあ〜、と思いました。
彼のすぐれた跳躍力と身体向きが、鷹爪拳向きやったからです。

ニューヨークの破門事情

最近、知り合いの武術家が破門されまして、話しを聞くとシクシク泣いて
おりまして、まあしゃあないでえ、なんて気軽く云うえる雰囲気で
ございませんでした、かく言うワタクシも以前、アメリカ人の武術の
おっさんに、「もうお前の顔をみたくない、出て行け」と云われ
「望むところや」っと啖呵切った経験がございます、若気の至りで
ございます、事例を踏まえて解説していきましょう。

「破門」
“一般には師弟の縁を断ち、門弟を追放すること…….”

事例その1
その武術の生徒は新聞社のインタビューを受けたのでした、そして
その大手中国の新聞の活字を見た師博が激怒し、破門に至ったと
いうわけなのですが内容は他の流派をケチョンケチョンにけなし
我が流派は世界一的な記事だったらしいです。

自分が習っている武術が世界一と信じ精進するのは、すばらしいこと
だと思いますが、他の流派は時代遅れでアホやというのを公の場で
発表するということは、その生徒にあたる師博も紙面上で同意見と
(どんなに反対意見でも)他の人間から見出されると思われ、即刻破門という
処置はその師博の適切な判断だったのではないでしょうか、仮に
その生徒を保護するということはニューヨークの中国武術界
強いては世界の武術界を敵に回す恐れが
あるのです、お前は俺の愛弟子だから世界を敵にまわして頑張ろう
っというのは映画の世界だけであります、上の子供が今年大学に入る
という師博の実情を把握していれば今敵を増やすのは得策でないのは
一目瞭然なのです。

残念ながらその中国人の生徒はアメリカナイズされ過ぎ
民主主義というのは「何を発言してもゆるされ権利がある」
というのを「何を発言しても、その言葉に責任が発生しないと」
思ったのではないでしょうか、残念ながら浅はかでございます。
二十歳前後の人間なら、謝罪して弁明を述べて余地はあるでしょうが
40才前の人間ですから、まあ弁明の余地なしですな。

事例その2
上記は人の話しでございましたが、今回はワタクシのことごございます。
渡米する前にアメリカに付いて調べますにアメリカというのは率直に
自己の意見を述べないといけなく、日本文化の曖昧な箇所が
ないとたくさんのものの本に書いてありました、要は自己主張の国やと
それがアメリカ社会通念でありますが、保守的な考え方の多い武術家に
対応してなかったというのは、破門されたあとに気がつく次第でした。

話しは90年代終わり頃でございます、初めての演武の大会前にて
長拳の練習にいそしんでいた毎日でございました、そして大会が
終わり、引き続き長拳の練習をしてますと、ここの箇所が違うと
指摘するではないですか、その箇所というのは大会前に指摘され
修正した箇所だったのです。

タカシ「大会前に云ったことと違うやないか」

おっさん「いや、そんなことはない」

タカシ「なんでウソを教えたんや」

おっさん「いや、そんなことはない」

タカシ「進行方向が前に90度で今日は45度に変わった」

おっさん「そんなことは云ってない」

タカシ「お前は、二枚舌か」

おっさん「出て行け」

タカシ「望むところや」

と、渡米間もない頃のワタクシの直球イングリッシュの受け答えは
今思うにスリル感満点でございますが、大会の結果が悪かったのは
このおっさんが間違えて教えたからやと、当時は思った次第でして
若気の至りと云えばそれまでなのですが、「初めてのアメリカの生活」
等の参考書にてリベラル派の多いニューヨークでも自己主張を
通し切ると破門する恐れがあると一筆加えていただく事を思う
所存でございます。

先生の日(出会いと別れ)

今週は日本に帰った生徒がおりまして、心機一転の気持ちのクラスで
ございましたが、やはり寂しいですなあ。ニューヨークですので異常に
日本の友達の送別会が多いのですが、出会いがあれば必ず別れがあると
理解していても心情ではなかなかさびしいもんです、それに舞台競演
しまして稽古が半年とこれまた完璧主義の加世田劇団代表作
Born in the shadow
と厳しい楽しい稽古の日々でございましたので云うならば生徒というより
仲間でしたから、寂しさはひとしおですが自分はニューヨークで
武術の先生がありますので彼の成功を祈りつつ前へ前へ進むしかありません。

と先生の日です。
基本練習です、フロントストレッチキックの次の段階の練習方法を
教えます、何名かの生徒は身体が非常にしなやかで柔らかいのですが
それ以上のものを練習で要求していきます、技には段階があるのです。

個人練習に入りまして
青龍刀、一通り終りました、来週もう一回最後のパートをした方が
よろしいでしょうか、もう少し基本動作を練習した方が良いでしょう
あとは反復練習あるのみにですね。

長拳、こちらも一通り終りましたね、ちょっと粗があるところが
ありますがよろしいでしょう、この子は型を覚えるのが早いですので
いつも教えているペースより早くなりがちですが、もう少し
ペースダウンして基本をがっちり教えて行った方が、より良い成果が
あがるのではないかと長年の先生のカンで思うのであります。

形意拳、舞台あけて久しぶりの復帰でしたが、それほど技がぶれて
いませんでしたね、そこそこ練習していたのではないでしょうか
右足の側筋を痛めてるみたいで、舞台の疲れが出たようですな。
この時期あまり無理して動かすわけにはいけませんので、来週は
様子を見た方がいいかな。

蟷螂拳、まだ身体が突っ立った感じがしますね、長拳の身体が
抜け切らないですね、型によって瞬時にその型を合わすようになれば
レベルの高が非常に高いのですけど、なかなか難しいかな。
速い動きはだいたいよろしいですが、遅くて柔らかい動作を心がけると
より良い動作になりますので、このあたりを来週教えましょう。